1.現地調査とは
現地調査とは、お見積書を作成するにあたり建物の状態を把握することを言います。建物の劣化状況の確認、大きさ、既存の素材など、施工を行う上で必要になるものの確認を行います。
建物状態は、東西南北で劣化症状や汚れなどが必ず違っているものです。例えば、南面や西面は日差しを受けやすい面なので、紫外線による経年劣化が多く見られます。反対に北面は日が当たらないことから、カビや藻、苔といったものが多くみられます。

こういった状態を確認することや、素材に合った補修方法を確認することで、本当に必要な工事を提案することができます。また、周囲の環境も確認します。敷地の広さ、道幅など立地状態などを実際に現場にいく事で、施工がスムーズに行えるのかを確認します。
調査時間は、建物の大きさや形状の複雑さにもよりますが1時間以内とお考え下さい。もちろん、現地調査の段階では費用は発生せず無料です。
2.現地調査は何をするのか?
【外壁の劣化状況を確認】
外壁を手でこすり、白い粉が付着(チョーキング現象)するか塗膜の状態を確認します。また、外壁に水をかけ外壁材の撥水状態の確認も行います。塗装工事をする際に、新たに塗装する塗膜の密着状態の確認が重要なため、外壁材のチョーキング現象や撥水状況をしっかりと確認していきます。

サイディング材は、下から見上げる目視により、継ぎ目やボード自体の浮き、割れ等を確認します。RC造のモルタルや、タイル材の場合は打診検査を行います。打診用のハンマーで外壁をたたくことで、クラック(ひび割れ)や、カラカラという音で浮きの有無の確認します。

シーリング部分は亀裂が入っていないか、外壁から剥離していないかを目視確認します。また接触確認で十分な厚みがあるのか、硬化せず柔らかさを保っているのかを確認します。

【屋根の劣化状況を確認】
屋根に上がらず、高所撮影ロッドを用いて材質の確認と劣化状況の確認(撮影)を行いますので、屋根を痛めることなく短時間で実施できます。また、立地や築年数、外壁の劣化状況をふまえて判断します。

屋根材の劣化状況は、スレートの反り状況やクラック(ひび割れ)の有無を特に確認していきます。

【塗装面積やシーリング長さの算出】
建物を作成したときの図面から算出、もしくは計測器を使用して測定をします。算出は、現地調査で取得した図面や写真をパソコンに取り込み積算ソフトで行います。建物一棟一棟、同じものはないので、形状なども踏まえて塗料の数量などを算出します。

【立地を確認】
・建物から敷地の幅をスケールで測定し足場組みが可能か
・工事車両を駐車できるか?
・足場が安全に設置できるのか?
・敷地の広さと隣家との幅、また施工場所まで向かう道幅
などを確認します。
塗装を行う職人は乗用車で現地に向かいますが、足場を組む時はトラックで伺う為、搬入経路が必要です。
3.現地調査結果のご報告
現地調査を行わなくても概算で見積書を作成することは可能です。しかし、立地条件や、実際施工を行う際に現場でしか確認できない劣化により、多額の追加費用が発生する可能性や、既存の下地材に対して間違った施工をしてしまう可能性があります。
また、調査を行う事で、施工のご提案の種類が増える可能性もあり、ご要望に沿ったプランの作成を行う事ができます。そして、何よりも施工箇所に対して適正価格で、クオリティーの高い正しい施工でご提案を行う為に、現地調査が重要となってきます。
建物の形状が似ていても劣化状況は必ず異なるものです。また、現状で施工が本当に必要な状況なのか?なども判断できます。そのため、現地確認をしっかり行うことは重要です。
弊社では現地調査の結果を『住宅診断報告書 : 塗装工事仕様書』にまとめ、お見積書と一緒にお客様にご提示・ご説明いたします。
